スーパーマーケットやコンビニなどでよく目にするPB商品。
PBやNBの違い、コスト削減や利益率が高い理由など、気になる疑問について、こちらで分かりやすく解説しています。
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1.PB商品とは?
PB(プライベート ブランド)とは、メーカー以外の小売店などが企画から仕様書作成まで行い、製造をメーカーや工場に委託してつくられた商品です。これに対して、メーカーが企画開発から製造まで行い、全国の小売店で販売される商品を、NB(ナショナル ブランド)と呼びます。PB商品は、他にも卸業者や、中小スーパーなどの共同仕入れ組織が企画してつくられるものもあります。
<PB商品の特徴> 価格NB商品の2~5割程度安い価格で売られていることが多く、PB商品が支持を得ている理由でもあります。
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2.PB商品にはどんなものがある?
冷凍食品、菓子、飲料などの食品、ジーンズなどの衣料、100円ショップの商品、医薬品など、普段の生活に欠かせないものの多くは、PB商品で揃えることができます。また、システムキッチンのような、高額で大型の商品にも、PB商品は広がってきています。
<PB商品のブランド例>・coop(生協)
・トップバリュ(イオングループ)
・セブンプレミアム(セブン&アイグループ)
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3.なぜ、安い商品が作れるの?
広告費用廃棄費用
PB商品は、自分の店舗で販売するためにつくられます。そのため、全国のお店で販売されるNB商品と異なり、消費者に商品を知ってもらうための多額の広告宣伝費が不要です。また、NB商品の場合はお店で売れ残った商品がメーカーに返品されることがあります。メーカーは廃棄費用が必要ですが、PB商品はこの費用が不要なため、その分を安くすることができます。
その他にも、小売チェーン側が原材料を一括で大量仕入れしてから工場へ卸して調達コストを抑えること、工場のラインが空いている時期に計画的に製造することなどで、製造コストを下げています。
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4.品質はどうなの?
PB商品は、原材料の品質を落としているわけではなく、包装の簡素化など、品質に影響がでない部分でコストを下げています。
また、製造している工場は、昔はそれぞれの分野の下位メーカーが中心でしたが、現在は首位メーカーも積極的に参入しており、NB商品と同等の品質管理の下でつくられています。商品パッケージには、製造工場が記載されていることも多く、商品を選ぶときの参考にしている消費者も多いようです。
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5.価格以外の特徴も
中小のスーパーマーケットの中には、地域に合わせたPB商品を開発しているお店もあります。
例えば、うどんの味付けは、地域によって異なります。製造の委託先を、あえて地元の工場にすることで、NB商品ではできない、細かい違いを実現することを可能にしています。地元密着のスーパーマーケットならではのPB商品です。
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6.PB商品のメリットとデメリット
PB商品は
小売店が主導NB商品は
メーカーが主導メリット-
<メーカー>…効率的な製造でコスト削減
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<小売店>…高い利益率など価格の設定が自由。オリジナル商品を開発できる
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<消費者>…高品質の商品をNB商品より比較的低価格で購入できる
デメリット-
<メーカー>…価格面でPB商品に劣るNB商品の売上が落ちる可能性がある
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<小売店>…購入後の返品ができない。商品に問題があった場合、責任を負う必要がある
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<消費者>…製造元が明確でないこともあり、返品や交換についての心配がある
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